デジタルブックの仕組みや形式を解説
電子ブック、webカタログといった名前で知られているデジタルブックは、紙のカタログにはない利便性が人気を集めています。時と場所を選ばずに閲覧可能で、紙のカタログのようにページをめくるアニメーションと効果音を楽しめます。
カタログ以外にも資料やパンフレット、雑誌などの紙媒体の書籍をデジタル化することも可能です。この記事ではデジタルブックの仕組みと形式を解説します。
デジタルブック(電子ブック)の仕組み
デジタルブック(電子ブック)はスマートフォンやタブレット、PCから閲覧できるWebコンテンツです。カタログや会社案内、パンフレットなど、数多くの紙媒体をデジタル化することが可能です。画面を左右にスワイプ(クリック)するとページをめくることができます。紙媒体のカタログや書籍に慣れ親しんだ人の心をくすぐる、ページをめくる効果音と、実際にページをめくったかのようなアニメーションが魅力です。
デジタルブックは一般的なwebサイト同様、HTML5、CSS、JavaScriptという技術を用いて作成されており、表示するデバイスの画面サイズに適したレイアウトに自動で調節されます。
印刷物や書籍などのデータを用いて、電子カタログ専用の制作ソフトや、オンライン上でのデジタルブック(電子ブック)制作ツールを使って作成されます。
作成されたデジタルブックはサーバーにアップするとwebページ上で閲覧できるようになります。また、通信環境の悪い所でもオフラインで閲覧できるようDVD、USBメモリに保存しておくこともできます。
webページで閲覧できる書籍、カタログと聞くとPDFを思い浮かべる方もいますが、デジタルブックとPDFはまったくの別物です。
まず表示速度はデジタルブックの方が高速です。webで検索をするインターネットユーザーは、ページの表示速度が遅いとすぐに別のサイトへ飛んでしまいます。表示に3秒かかるだけで32%が離脱し、5秒かかると90%のユーザーが離脱して別のページへ飛んでしまうというデータがあります。
また、PDFはどのデバイスから読み込んでも1つのレイアウトしかありません。横に長いPCと縦長のスマートフォン・タブレットでは、見え方が異なるため、適宜拡大・縮小を行う必要があります。
しかしデジタルブックはレイアウトを自動で最適化する技術を使って作成されるので、ユーザーの快適性・満足度を上げる表示が可能です。
メンテナンス性もデジタルブックの方が優れており、データを更新するだけで済みます。一方、PDFは元データの修正と新しいバージョンの作成、差し替えが必要になるため手間がかかります。
またSEO対策もデジタルブックの方が優れています。SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンからの評価を上げて、検索順位を上位にすることです。検索順位が上がるとページを見る人が多くなり、集客効果があります。
PDFが文字、画像、動画しか組み込めないのに対し、デジタルブックはリッチコンテンツと呼ばれる、ユーザーの利便性と、検索エンジンからの評価を上げるデジタル表現を使用できます。Youtubeの動画へリンクを飛ばしたり、ブック内の文字列を検索しハイライトするなど、動的なコンテンツを作成できます。
デジタルブック(電子ブック)の形式
デジタルブックにはFlash形式とHTML5の2つの形式(種類)があり、現在はHTML5が主流です。
Flash形式
HTML5形式の登場前は、このFlash形式(Adobe Systemsが開発・販売していたマルチメディアおよびゲーム開発のためのプラットフォーム)でデジタルブックを作成するのが主流でした。Flash形式で作成されたファイルを見るには「Flash Player」というプラグインを必要としたため、スムーズに閲覧までたどり着くのが困難な場合もありました。またFlash形式にはセキュリティを脅かすリスクもあります。Flashコンテンツを使用したwebサイトへアクセスするとPCの制御を第三者に奪われる、クラッシュするなどの危険性が潜んでいます。
2020年末に公式サポートが終了したことでセキュリティプログラムの更新が止まり、危険性が増しているため、デジタルブックの作成には使われなくなりました。
現在Google chromeやMicrosoft edge、safari、FireFoxといった検索ブラウザはFlashPlayerがデフォルトで無効化されているため、誤ってアクセスしても開かないよう最低限の安全性は保たれています。
HTML5形式
現在のデジタルブックの主流はHTML5形式です。HTML5はFlash Playerのようなプラグインが必要ないので、誰でも簡単にアクセスできます。Flash形式よりも通信量が軽減され、セキュリティの脆弱性も心配ないので、よりユーザーからの満足度向上に繋がります。
また上記の項で解説したように、HTML5形式は動画や効果音といった動的コンテンツを用いて作成できるので、よりユーザーが見やすく使いやすいデザインのカタログを作成できます。スマホ、PC、タブレットといった様々な画面サイズに適したレイアウトを自動で表示してくれるのも魅力です。
HTML5形式は見る側だけでなく、作成を依頼する側にもメリットがあります。
たとえばアクセスを解析してどのページが一番閲覧されているのか、どのくらいの人がどこでページを離れているのか明らかにすることができます。任意の場所にリンクを設置して、社内のサイトや関連商品のページにユーザーを飛ばすこともできるので、あらゆる面で優秀なシステムになっています。
まとめ
デジタルブック(電子ブック)はスマホ、タブレット、PCといった電子機器から閲覧できるため、時間と場所を選ばないのが特徴です。紙製のようにページを捲れるアニメーションや効果音が、まるで本物の紙カタログを触っているかのような感覚になります。
またSEO対策に優れているHTML5をもとにして作られており、マーケティング面でも有利になるのでおすすめです。
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