製本の際に用いる丁合いとは?やり方と関連用語について

丁合いは、製本する際にページをまとめるための手法で、とても重要なステップです。しかし、丁合いという言葉自体を聞いたことがない人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、製本のステップで重要な要素である丁合いについて、くわしく解説します。完成度の高い本の制作に欠かせないステップなので、ぜひ参考にしてください。

丁合いとは

丁合いとは、本や冊子の製本するうえで、ページをまとめるための手法のことです。ページ同士を糸や糊を使って結びつけ、本のかたちを整えます。ページを順番通りに並べて、正しくまとめるのが基本的な作業です。

しかし、丁合いにはさまざまなバリエーションがあります。たとえば、ページの間に違う材質の用紙を入れたり、表紙と一緒にまとめたり、その種類はとても多いです。

なかには、ページ数が多く一度ではまとめきれない場合もあり、そういった場合は「合わせ丁合」という2〜3回丁合いを行う方法もあります。一度の丁合いだと全ページをひとりが確認しなければいけませんが、合わせ丁合だと作業を分担できるので効率的です。

丁合いは古くから使用されてきた伝統的な製本技法で、耐久性に優れているため、多くの製品で使用されています。

丁合いのやり方

丁合いは、製本するうえで欠かせないステップなのでおおまかに内容を理解している方もいるかもしれませんが、具体的な作業方法をご存じでしょうか。作業方法は、大きく分けて2種類に分かれます。

そこでここからは、実際の丁合いのやり方について分かりやすく説明します。種類別に解説するので、製本する際に役立ててください。

手作業でする

手作業で丁合いをする場合、まずまとめるページに穴を開けます。そして、針に糸を通し、ページの穴に順に糸を通します。

最後のページで糸を結んだら、余分な糸を切り取って完成です。ページの内側に糸を巻きつけたり、ページ内に仕込んだりすることで、糸が目立たずきれいな仕上がりになります。手作業で丁合いをした本は、温かみを感じられます。

丁合機を使う

現在は、丁合いを自動で行う、丁合機という機械を使用するのが一般的です。丁合機には、くらと呼ばれる印刷用紙をセットする台があり、くらから順に用紙が重ねられていき、丁合いをします。

丁合機に、中綴じや無線綴じなどの綴じ方を選択する機能が入っている場合、印刷物に合わせて綴じ方を変えることも可能です。

丁合機は、手作業よりも迅速で効率的に作業を行えるため、大量の本を製本する際に重宝されます。しかし、複数枚重ねてしまったり、折り丁が不足したり、不具合が発生する場合もあるので、機械のメンテナンスを定期的に行うことが重要です。

丁合いの関連用語

丁合いには、ほかにも関連用語が数多くあります。丁合いを深く理解するために、関連用語について知ることは重要です。ここからは、代表的な「取込み」「落丁」「乱丁」「総繰り」について説明します。

取込み

取込みとは、同じ折り目や用紙を2つ以上重ねてしまうミスのことで、増丁、2枚差し、取り増し、ともいわれます。丁合機を使う場合、取り込む際に使うキャリバーに問題があると、取込みが起こりやすいです。

取込みが起こると、印刷物の正しい並びが崩れてしまいます。そのため、正確な印刷物が作れません。取込みを防ぐためには、丁合機のキャリバーが正常に動いているか確認し、正しい順序でページを設定することが重要です。

落丁

落丁とは、丁合いの際に特定の折り目を挿入せずに綴じてしまうミスのことです。落丁がおこると、印刷物の一部が欠けていて、内容がバラバラになります。

多くの本には、この問題が発生した場合に「落丁本は交換します」と書かれていますが、あまり頻繁にはおこりません。

また、別のケースとして、注文した部数が正しく製本されていないことを落丁と呼ぶこともあります。その場合、不足分を加えて製本する作業を「落丁刷り」というため、あわせて覚えておいてください。

乱丁

乱丁とは、ページの順序や向きが逆さまになったまま製本されるミスのことです。本や印刷物は、いくつかのページを正しく折り重ねてできています。しかし、これらが正しくない順序で綴じられると、読みづらくなったり内容が混乱したりします。

以前は乱丁が多く発生していましたが、最近の丁合機はセンサーで問題を感知して修正するため、乱丁の問題はほとんど発生しなくなりました。

総繰り

総繰りは、折り丁ごとにページを確認して順序を確かめる方法です。丁合い作業の始めや途中で総繰りするため、丁合いミスを防げます。

具体的には、ページの一の位の数を見て、折り目の表に出るページ数が常に奇数であることを確認します。これにより、正しい順序で綴じられるのです。

まとめ

今回は、製本作業で重要な工程である「丁合い」に焦点をあて、その基本的な概念や手法、関連用語について解説しました。

丁合いは、本を製本する際にページをまとめ、一体感のある本として仕上げる工程です。簡単な作業にも思えますが、丁合いでミスが発生すると、理想的な書物ができません。

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