無料で使える文章校正ツール5選!使用上の注意も解説

記事や書籍の執筆にあたって「誤字脱字チェックに時間がかかる」「もっと文章の質を高めたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。 読みやすく、伝わりやすい文章には校正が欠かせません。しかし、正確な校正には多くの時間や労力が必要です。しかし文章校正ツールを使用すれば、少ないコストでも文章の質を高められます。

この記事では、校正についてと文章校正ツールを使用するメリットや注意点を解説しています。また、無料で使える文章校正ツール5選も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

文章校正とは?

文章校正は、完成した文章の質を高めるのに重要です。この項では文章校正についてと、同じく文章の質を高める上で必要な校閲との違いを解説しますので、まずは校正への理解を深めてください。

校正について

校正とは誤字脱字や文章の構成、表記ゆれや誤った言葉の使い方がないかを確認し、修正する作業です。同時に内容に矛盾がないかどうかも確かめながら、正確で伝わりやすい文章に整えていきます。 文章が掲載される媒体、メディアによっては表記ルールを統一している場合もありますので、照らし合わせて誤りがないかの確認も行います。

大きく分けると校正の作業は、以下の2つです。

  • ・赤字照合
  • ・突き合わせ

赤字照合は、最新の原稿に修正が反映されているかを確かめる工程です。原稿は、初稿から段階を経て改善されますので、正しく反映されているかどうか、文字通り赤色で修正したポイントごとに確認します。

もう1つの工程は、突き合わせです。突き合わせでは、赤字照合の修正点単位での確認とは異なり、一文字ずつ見ながら、誤字脱字を中心に表記の誤りがないかを確かめていきます。 一文字のミスであれば脳の補完によって、文章を正しく読めてしまうケースもあります。そのため、突き合わせの工程では文章を逆から読むなどして、一文字ずつ確認するのが重要です。

基本的には赤字照合と突き合わせを各原稿で行い、文章の誤りを修正していきます。言葉が正しい使われ方をしているかどうかや、 媒体やメディアごとにとって読みやすく正確に伝えられるかどうかは文章の質を高めるのにつながり、読者にとってより有益なコンテンツになります。

校閲との違い

校正と同じく、コンテンツの質を高める作業に校閲があります。校閲は、文章の内容が事実であるか、メディアとして発信して問題がないかを確認する作業です。 校正と校閲の大きな違いは、文章の内容に踏み込むかどうかです。校正が誤字脱字を中心に表記ゆれや文法の使い方を修正するのに対し、校閲は内容の事実確認まで行います。

校閲作業の主な工程は、以下の2つです。

  • ・事実確認
  • ・素読み

事実確認は、原稿の内容が事実にもとづいているかを確かめる作業です。固有名詞や実際のデータを調べ、誤った情報を発信しないように確認していきます。引用するだけでなく、引用元の信頼性まで確かめながら、より正確な文章を追求します。

素読みでは原稿を読み込み、誤字脱字も含め、文章のつながりや内容の矛盾がないかを確認します。 差別表現など、メディアの意図していない発信につながる可能性についても考慮します。現代社会に合わせた視点と意識で、読者の不快感につながらない内容に修正する配慮が重要です。

校閲の作業は、校正と兼ねて行われる場合もあります。

校正者の作業

校正作業を行う「校正者」が修正するのは、主に以下のような点です。

  • ・誤字脱字
  • ・変換ミス
  • ・同音異義語
  • ・表記ゆれ
  • ・文法
  • ・固有名詞
  • ・数字
  • ・文末表現
  • ・独自の表記ルール

Webコンテンツであれば、打ち間違いや誤った変換によって誤字脱字が起きやすくなります。「回答」と「解答」といった、同音異義語も文章単位で見ていれば気づきにくいポイントです。

表記ゆれとは、同一のものを表現する表記が異なっているケースです。コンテンツ内では、表記を統一していなければ、誤った解釈につながるかもしれません。送り仮名の違いや、漢字表記かひらがな表記かといった表記ゆれにも注意が必要です。 固有名詞や電話番号、データなどは大きなクレームにもつながりかねないため、とくに慎重なチェックが求められます。

媒体やメディア独自の表記ルールを把握するのも、校正者に必要な作業です。上記のような修正点に対して、規定の校正記号や修正内容を赤字で書き込み、次の原稿で改善する工程を繰り返します。 校正者が、より確実に修正を行うための方法として挙げられるのは、以下のポイントです。

  • ・見落としやすい点を把握する
  • ・原稿作成者ごとに誤りやすい点を把握する
  • ・原稿作成者に事前に共有する

人によって誤りやすい点があるため、これまでにミスがあった部分をまとめておくと注意しやすくなります。また原稿作成者と校正者で表記ルールを含め、注意点を丁寧に共有しておくと、修正を最小限に抑えることが可能です。

誤字脱字や冗長表現が多かったり、伝わりにくかったりすると読者からの信用が失われます。また、誤った情報はトラブルにつながり、Web上ではSEOに影響する可能性もあるため校正は文章の関わるコンテンツには欠かせない作業です。

文章校正ツールの重要性と注意点

校正は、文章の質を高めるために必要な作業です。 しかし、校正には慎重な確認と労力が求められます。この項では、校正の負担を大幅に軽減できる文章校正ツールについて解説します。メリットと注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

文章校正ツールの概要とメリット

文章校正ツールは、誤字脱字や表記ゆれといった校正作業で確認すべき修正点を自動で検出し、提案まで行うツールです。AIや自然言語処理の活用によって、単語だけでなく文法や文章全体の表現の統一までできます。 オンライン上で利用できるツールも多く、テキストの入力のほか、ファイルのアップロードで校正できる場合もあります。

文章校正ツールのメリットは、以下の点です。

  • ・自動修正、校正提案により労力と時間が削減できる
  • ・正確性の高い校正が期待できる
  • ・一定の基準で、安定した校正ができる

多くの時間と労力を要する校正を自動化できるのはもちろん、正確な修正と提案を短時間で受けられるのが最大のメリットです。 また、人間よりも安定した基準を保てるため、校正者によるクオリティや修正方法の違いなどに左右される心配もありません。

一部のツールでは、表記ルールのカスタマイズもでき、より使いやすくメディアや自分の執筆スタイルに合わせられるのも魅力です。 修正や提案によってコンテンツの質が高まる上、時間をかけずに自身のスキルアップもできるのが文章校正ツールです。

ツールを使う上での注意点

非常に優秀な文章校正ツールですが、いくつかの注意点もあります。

    具体的な注意点としては、以下の通りです。

  • ・文章やコンテンツの意図を意識する
  • ・文章の魅力を理解する
  • ・最終的には目視で確認する
  • ・修正点を理解して今後につなげる

文章校正ツールの修正や提案は、コンテンツの目的や文脈によっては正確でないかもしれません。どんな意図で作成しているかを考慮して、柔軟に活用してください。独自の文章表現や言葉選びも、場合によってはコンテンツの魅力になりますので、文章としての正しさを重視すべきかをその都度判断するのが大切です。 また、ツールの提案によって修正を行った場合でも見落としがある可能性を考え、最後は目で見て確認しましょう。

文章校正ツールは正確性が高いですが、完全に正しいわけではない点には注意が必要です。場合によっては、適切でない提案や修正点の見落としもあります。あくまで参考の範囲に留め、自身の判断をもとに活用してください。 参考にするという観点でも、ツールを活用する際には誤りやすい箇所や表現を学び、以降の文章作成に役立てるような行動をとるのが重要です。

同じ修正と提案を受け続けていては、さらなる時間と労力の削減につながりません。可能であればリストアップするなどの方法で、文章の傾向も理解しながら改善に努めてください。

無料で使える5つの文章校正ツール

この項では、実際に使用する際におすすめの文章校正ツールを紹介します。無料で使えるツール5選についてそれぞれ特徴を解説していますので、ぜひ参考にしてください。

PRUV(プルーフ)

PRUVはサービス名と同じPRUVが提供する、オンライン上で利用できる文章校正ツールです。 校正可能文字数は登録しなければ300文字までですが、無料ユーザー登録によって最大で2万文字まで増やせるほか、ユーザー辞書の設定や表記ゆれチェックなども行えます。

Webサイト上にあるテキストボックスに文章を入力か、貼り付けして開始ボタンを押すと校正がはじまります。修正提案のある箇所にハイライトと内容が表示される仕組みで文章は保存されず、管理者も内容を確認しないツールです。 誤字脱字や文法の誤り、重複表現、日付と曜日の整合などがチェックの対象となります。

ENNO(エンノ)

ENNOはhachi8833氏によって開発された、専門的な分野やフォーマルな文章にも対応しているオンライン上の文章校正ツールです。 一度に校正できる文字数に制限がないのは魅力ですが、表示が遅くなるため8,000文字程度が推奨されています。

テキストボックスに文章を貼り付け「日本語エラーをチェックする」ボタンで校正が開始されます。エラーと認識された箇所のハイライトには内容がポップアップ形式で表示されるほか、修正点は一覧でも掲載されるため見比べもしやすく、より校正を効率的に行えるのが特徴です。 校正した文章がサイト内に保存されることはなく、管理者も内容を確認しません。誤字脱字や変換ミス、文末表現などをチェックできます。

Tomarigi

Tomarigiは「日本語表現方法開発プロジェクト」で青山学院大学が開発した、幅広いチェック対象と直感的な操作が人気の文章校正ツールです。 PCにインストールするタイプであるため、通信環境がない場合でも使える仕様です。エディタ領域への文章の入力によって、1文ごとに修正箇所と修正の種類を記した指摘カードが表示され、 詳細と修正候補を確認できます。文節間の係り受け関係をわかりやすく図で表示できるのが特徴です。

また、プラグインによって校正ルールをカスタマイズできるのも魅力で、媒体やメディアに合わせてチェック項目の追加や削除ができます。チェック対象には、助詞の連続や接続詞、体言止め、送り仮名、スペルチェックなどがあります。

文章校正ツール

文章校正ツールはso-zu.jpで公開されている、オンライン上で利用するツールです。

校正可能文字数が多く、最大で1万文字まで入力できます。テキストボックスに文章を貼り付けると、修正の種類と提案が表示されます。 ツール内のチェックには、Yahoo! JAPANが提供しているテキスト解析のWeb APIを用いており、以下の3つの指摘に分けられる仕様です。

  • ・表記・表現の間違いや不適切な表現に関する指摘
  • ・わかりやすい表記にするための指摘
  • ・文章をよりよくするための指摘

変換ミスや文法の誤りに加え、不適切な言葉、ら抜き言葉、冗長表現などもチェックできます。

プレスリリース校正ツール

プレスリリース校正ツールは、株式会社バリュープレスが提供しているオンライン上での文章校正ツールです。 テキストボックスに文章を入力し、校正チェックをはじめると、誤りの可能性があるポイントがハイライトで表示されます。

前述の文章校正ツールと同様に、Yahoo! JAPANが提供するテキスト解析システムを採用しており、以下のように色分けをしています。

  • ・赤 表記、表現の間違いや不適切な表現に関する指摘(変換ミスや使用注意語)
  • ・黃 わかりやすい表記にするための指摘(当て字や表外漢字)
  • ・青 文章をよりよくするための指摘(冗長表現や二重否定)

まとめ

校正は文章の質を高める上で欠かせない、重要な作業です。誤字脱字はもちろん、表記ゆれや冗長表現などをなくすと、読者からの信用にもつながります。

デジタルブックを作成するサービス「デジサク」は、納品後でも7営業日以内であれば無料で差替が可能です。さらに、それ以降も基本料金と修正ページ分の料金のみで対応できるため、あとから文章の誤りに気づいても問題ありません。 低価格ながら、95%以上の案件で発注の翌営業日には納品しているスピードも魅力です。デジタルブックは、カタログやパンフレットをホームページに掲載したり、営業ツールとして利用したりでき、近年ではとくに注目されている書籍の形態です。

文章の質は、作成後の作業によって大きく変化します。ぜひ本記事を参考に、より読者に有益なコンテンツを提供してください。